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尾道市議会議員 岡野長寿
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自己紹介
岡野 長寿

おかの ながとし

  • 1958年(S33)1月5日生まれ、現在53歳。

  • 田熊幼稚園、田熊小学校・中学校、因島高校を経て、明治大学法学部卒業。

  • 因島市議会議員3期
    (97~06年)

  • 尾道市議会議員3期
    (06年2月6日から)

  • 日本共産党の議員として活動中。

  • 「憲法を暮らしに生かす」が信条。

  • 趣味は野球、ゴルフ

  • 生活相談所を開設。岡野パンから徒歩3分
住所:尾道市因島田熊町229-1
電話:0845-22-2596
携帯:090-2095-5792

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岡野長寿市議の12月議会一般質問(全文)
2008年 12月議会 一般質問 日本共産党 岡野長寿

1、景気の悪化から市民のくらしを守る緊急対策について
 今、国民は、小泉「構造改革」路線による増税や、医療・年金・介護などの社会保障制度改悪による負担増に加え、アメリカ発の金融危機による景気悪化で、くらしも営業も未曾有の危機的な状況に追い込まれようとしています。

 このようなとき、住民の「健康と福祉の保持」(自治法第2条3項)を基本任務とする地方自治体とその長の役割はきわめて大きいものがあり、国政のゆがみや景気の悪化により生じる痛みから、市民のくらしを守る防波堤の役割を果たすことが求められています。そこで市長に伺います。市長は今日市民がおかれている状況を「国が決めたことだから」とか「世界経済によるものだから」などとして拱手傍観するのか、それとも市民の雇用や営業を守るために積極的にでき得る限りの措置をとる立場に立つのか、お答えください。

 さて、アメリカ発の金融危機は、世界経済の大混乱を引き起こし、日本経済にも深刻な影響を与え始めています。景気悪化の中で、大企業が減産体制に入り、派遣など非正規労働者の「雇い止め」が相次いで発表されました。トヨタ自動車とそのグループ企業では7,800人に及ぶ期間社員・派遣社員の「首切り」をすすめています。日産は780人、マツダは800人、スズキは600人の削減が発表されました。

 また、大銀行を先頭にした貸し渋り・貸しはがしが激しさを増しています。資金供給で最大の責任を果たすべき3大メガバンク(みずほ、三菱UFJ、三井住友)が、この1年間で2兆7,600億円も中小企業への貸し出しを減らし、貸ししぶり・貸しはがしの先頭に立っているのです。このような体力のある巨大企業が、「大失業・大倒産時代」到来の引き金を引くことなど許されないではありませんか。政府や地方自治体は、大企業・大銀行に社会的責任を果たさせる強力な監督・指導を行い、国民の被害を最小限に抑える努力をすべきです。

 トヨタは大幅減益とはいえ、なお年間6,000億円の利益を見込んでいますし、マツダの場合08年9月中間決算が連結営業利益で前年同期比16.9%減となるというものの、今期500億円の利益を予定しており、800人もの派遣労働者を切り捨てるほどの切迫した経営状況ではありません。大企業の動向は社会に大きな影響を及ぼし、その社会的責任は大きいことを自覚すべきであり、こういう時こそ利益を圧縮してでも踏ん張る「自助努力」が求められます。販売台数が伸びている時には安い労働力で莫大な利益を上げながら、減少に転じると簡単に労働者を切り捨てるのは身勝手というものではありませんか。 

 市内に工場があるプレス工業に調査に行きましたが、12月中に150人中100人の派遣労働者を雇い止めするとのこと、ここも赤字ではもちろんなく、株主に一株4円50銭、1億1千株ですから約5億円の株式配当をする予定です。今回の不況は恐慌にも発展しかねないと言われており、緊急事態であることを考えれば、市長は身を挺してでも、人員削減をくい止める先頭に立つべきです。少なくとも優遇措置をとって誘致した企業に対しては、人員整理計画をできるだけ縮小するよう要請すべきではありませんか。

 島根県斐川町では誘致企業の一覧表をつくり、正規・パート・人材派遣など項目別に人数を把握し公表しています。これは公金が投入された企業への社会的責任を強く求める町の姿勢が現われていると思います。尾道市でもこのような一覧表をつくり公開し、関係会社に対する指導の一助にするべきです。

 具体的にお聞きしますが、第1に、市内の企業、とりわけ「工場等設置奨励条例」に基づく各種補助を受けた実績のある企業に対して、安易な人員の整理を行わないよう強く申し入れること。第2に、派遣労働者や業務請負を受け入れている企業の一方的な「雇い止め」や契約打ち切りをさせないこと。

 第3に、売り上げが大幅に減少しながら、従業員の雇用を確保する施策を講じている市内中小零細企業に対して、市独自に「雇用確保奨励助成金」(仮称)を新たに設けることなども検討すべきです。第4に、市の預託融資資金が、必要な業者に適切に融資されるよう、市の監視体制を強めること。第5に年末にむけて、市独自の小口融資制度を作り、市民の緊急な資金需要に応えることなどが必要だと思います。以上5点について市長の見解を伺います。
 
2、セイフティーネットの構築について

(1)社会保障 景気の浮き沈みは資本主義経済の必然であり驚くことではありません。しかし、今回の景気悪化が深刻なのは、この間の「構造改革」の名による社会保障のあいつぐ改悪でセイフティーネットがズタズタになっているからです。
昨今頻発する数々の悲惨な事件には、それぞれ固有の原因があるとはいえ、その背景には、増税や社会保障の改悪による生活苦、働く貧困層を生み出した非正規労働のまん延など、セイフティーネットの破壊があることは誰しも認めるところではないでしょうか。

 先のアメリカ大統領選挙で「ブッシュ政権NO」の審判が下され、本家本元のアメリカで弱肉強食の新自由主義路線からの転換を求める有権者の期待が表明されました。今こそ、「構造改革」の呪縛から抜け出し、「新福祉国家」建設に向け、しっかりとした社会保障制度の再構築に向け、舵を切り替えようではありませんか。与党麻生政権はそのような判断ができない末期状態ですから、国にそれを求めることは今の時点ではできそうにありません。地方政府である自治体から一歩を踏み出そうではありませんか。

 そこでまず、医療や介護など社会保障制度の分野に於いて、所得が生活保護水準以下の世帯に対しては、保険料や利用料・一部負担金の免除の制度をつくるべきではないかということです。
国は「健康で文化的な、人としての最低限度の生活を保障する義務」を主権者たる国民に対して負っていますが、それだけではなく「公衆衛生など他の広い意味での社会保障制度の充実に向けて努力すべき責任」を負っています(憲法25条1項2項)。これはお金が余ったら社会保障に回せということではもちろんなく、「社会保障を予算の主役にすえる」、まずは「その時その地域における客観的に必要な社会保障費用予算を措置すべき」という憲法の規範的要求です。「最低限度の生活を維持する金額」というのは客観的に算出可能であり、それ以下の所得しかない世帯に公的負担を強いるということは厳格に言うと憲法の要請に反しているのです。「生計費非課税の原則」があるのです。この「憲法の要請を厳格に守れる人間にやさしい社会」「新福祉国家」を築いていこうではありませんか。具体的に聞きます。

①国民健康保険では法定減額のほかに申請減免の制度がありますが、申請減免は要件が厳しすぎてほとんど機能していないのではありませんか。結局、保険料を払えないほど所得が低い人が滞納者となり、保険証を取りあげられ無用な混乱を生み出す元となっているのではありませんか。
所得が生活保護水準以下の世帯に対しては保険料の免除、医療費一部負担金の免除の制度をつくるべきではありませんか。

②この際資格証の発行をやめるべきではないかということについてもお聞きします。国からも資格証の発行(すなわち保険証の取上げ)はできるだけ抑制していくべきであるという通達が出されるようになりました。何の責任もない子どもまで病院にかかれなくなったからです。厚生労働省の調査(9月)によると、無保険の子どもが全国で約3万人、広島県で696人、尾道市では(決算議会で明らかになりましたが)36人(内訳は乳幼児3人、小学生22人、中学生11人)です。資格証の発行をすると医療費10割を窓口で支払わなければならず、事実上医療を受けられないことになります。このような自治体による医療拒否、診療拒否が憲法上正当化されるのは、明らかに保険料を支払える十分な所得・貯金などがあるにもかかわらず、あえて、故意に支払わないということが明らかに認定される場合に限られるのではないでしょうか。そしてその認定は書面審査では十分でなく、訪問調査など生活実態の調査に基づくものでなければならないでしょう。尾道市の悪質滞納者認定の実態はどうなっているのでしょうか。私は悪質滞納者認定作業については法律の文面による形式的解釈だけにたよるのではなく、医療拒否が憲法上許されるのかという上位の法規範である憲法に従って厳格に解釈をし直し、運用されるべきであると考えています。「悪質滞納者」の解釈を憲法と調和するよう解釈するならば、きわめて厳格に狭く解釈されなければならないと思います。尾道市の運用は原則と例外が逆転しているのではありませんか。

 また、子どもがいる世帯には資格証の発行ではなく、短期保険証の発行をすべきです。資格証を発行した上で子どもに医療が必要な時には短期保険証を発行するということも形式的な理屈としては成り立つでしょうが、短期保険証の発行を求められた職員には子どもに医療が必要かどうかは判断できません。そうであれば、医療拒否をしてはならないという原則に帰って、はじめから短期保険証を発行すべきなのです。見解を伺います。

③さて、介護保険でも「少ない年金でやっと食べていたのに、天引きされる介護保険料が多くて生きて行けない」「利用料が高くて介護計画を立てられない」「週2回のデイサービスを1回にした」などの声がよせられています。所得が生活保護水準以下の世帯に対しては保険料の免除、利用料の免除の措置をとるべきではありませんか。

(2)雇用の安定
 労働法制の行き過ぎた規制緩和により派遣労働が常態化され、これが社会の不安定要素になっていることが認識され始め、日雇い派遣の禁止など規制強化の方向への法改正に着手するなど、流れが変わり始めました。今こそ、若者をモノのように使い捨てにする雇用のあり方からの転換が必要です。共産党議員団は以前から市から助成を受けている企業に対し労働者の正社員率を高めるよう要請をすべきことを求めてきましたが、今こそ、そのような働きかけを強めるべきではありませんか。

(3)農業の再生 
 地方都市にとって農業の再生、活性化は定住人口の安定の大きな要素です。農業は食の安全、雇用の安定、国土保全という点ではセイフティーネットの重要な要素ともなります。輸出産業重視一辺倒から国内需要を高める方向へとシフトを移すべき事を今回の経済危機は教えてくれています。今回の経済危機により転職を余儀なくされる方も予想され、ピンチをチャンスに変えることが必要です。農業後継者をつくる重要な機会ともなるのではないでしょうか。この機会に農業後継者への転換をめざす青年に一定年限を限っての支援金や融資制度などを創設して自給率の向上に貢献できるまちづくりを進めるべきではありませんか。

(4)住居の安心
 各地で雇用促進住宅廃止問題が子育て家庭、勤労者家庭の安心を奪っています。この点については、買い取りによる市営住宅としての再生なども視野に検討されているとのことでしたが、その後の取り組みの進捗状況についてお聞かせください。

3、広報の改善について
 「広報が読みにくい」という声をよく聞きます。いろいろと工夫されているとは思いますが、「読みにくい」のは日常の生活圏域外の情報が混ざっているからです。そこで春夏秋冬と年に4回くらいは地域ごとの広報をつくってもいいのではないでしょうか。

 広報因島瀬戸田版、向島版、御調版などをつくることは、あらためて私たちの多元的な町を認識する上でも重要ですし、また、各地域の伝統、文化、特色を生かした町づくりをすすめるという市長の考えとも合致するものと思います。そしてそのような広報づくりの経験をすることで、あらためて地域ごとのよさを生かしたまちづくりという視点からの豊かな政策的提案なども生まれてくるのではないかと思うのです。試してみる価値はあると思いますがいかがですか。

4、橋代への独自補助制度について
 尾道市の財政力に見合った補助制度の創設を答弁されて1年になろうとしています。タイムリミットが来たと思いますが、具体的な制度について説明をすべき時期ではありませんか。

5、瀬戸田病院運営について
 尾道市への移管という形で瀬戸田病院が存続することになり、住民はまずは一安心です。しかし、問題はどうすれば島に唯一の公的医療施設として末永く住民に利用価値が高いものとして運営することができるかです。受け継いだが赤字が続きジリ貧になったのでは意味がありません。わたしたち議員団はそのような観点から現地調査も行い、住民との懇談会も開催しました。

 住民の方からは「今ある眼科は週1回で専門医院への紹介をしてくれる程度、実際に手術や治療をするのは因島や尾道に行かなければならない」「でも交通費が大変で困っている」「造船で働いているので溶接などで目を傷めるのはあたりまえになっている、病院は三原や尾道が多い」「眼の治療が必要だが、介護が必要な親がいるので尾道までは行けない。近くに眼医者があればいいのだが」「介護タクシーをやっているが、透析などで因島や尾道に通院している人が多い。月7万円~8万円の交通費がかかり大きな負担になっている。島外の眼科に通う人も多い」などの声が出されました。

 また、「尾道市がこのような説明会をして情報を提供して欲しい。住民の要望を聞いて欲しい」などの意見もだされました。私がこの懇談会や現地調査を踏まえて感じたのは、診療科目が内科とリハビリ科だけでは十分ではない、眼科については週1回の開設ではなく、一定の治療もできる体制をとれば相当の需要が見込まれるのではないかということでした。軽々に判断ができないことがらですから、尾道市が今後のあるべき瀬戸田病院の姿など情報提供もし、住民のニーズに応えて積極的に新たな診療科目の開設など検討していく姿勢をもって住民説明会などを開き、住民の意向、要望をつかむことが今後の病院経営の成功のカギであると思いましたが、いかがですか。

6、環境整備(景観)について
 瀬戸田町は早くから観光に力を入れており、耕三寺・平山美術館・ベルカントホール周辺は観光地としての雰囲気が漂っています。そして島全体が美術館と言いましょうか、海の中にも美術オブジェが設置され、独特の景観を生み出しています。
ところがその景観を見ながら車を走らせていると主要道路に隣接して広大な空き地が何箇所かあり、セイタカアワダチ草でしょうか、草ぼうぼうとなっているのです。聞いてみると塩田跡地だそうで相当の面積になります。

 景観がダイナシなだけでなく、近隣にお住まいの方からも子どもがアレルギーで病院に行ったり、やぶ蚊にも悩まされるなどの苦情が寄せられているそうです。
私有地であるとは言え、何らかの公的規制が必要ではありませんか。

 大牟田市では「草刈り条例」をつくり、「空き地等に繁茂した雑草等の放置を規制」し「市民の安全で良好な生活環境及び地域の美観の維持」に努めています。少し紹介しますと、「空き地の管理が悪く、蚊・はえなどの害虫発生の原因になっている場合、ゴミの不法投棄の場となっている場合、枯れ草が密集しているため火災の原因になる場合、周囲の美観が著しく損なわれる場合」などに、「市が所有者等に雑草を除去するよう指導、助言できる」というもので、「所有者等が従わない場合には代執行できる」と定めています。
関係者との無用な混乱を避ける意味でもこのような条例をつくって、ことにあたる必要があると思いますが、いかがですか。

7、教育行政について
 児童、生徒がそれぞれ自分の可能性を最大限に伸ばせる教育環境整備こそ、教育行政の一番の務めであると思います。そのためには教師が余裕をもって子ども達と接する時間があるのが一番です。教師が健康で元気でなければなりません。また、毎日の授業を充実したものになるよう、十分準備の時間もなければならないし、実際に授業をする教室が寒くて凍えたり、暑くてがまんならない、こんなことではいけません。尾道市全体での行事の準備などに追われて、子どもがクラブ活動をしていても指導ができない、こんなことではいけません。子どもは日々変わります。家庭の事情が変化すればてきめんです。毎日ノックをやっていてこそ、生徒の変化にも気づき、適切な対応、指導ができるというものです。
 
 このように考えると、尾道の教育プランは学校に本当に歓迎されているのでしょうか。
尾道市全部の学校の生徒を一同に集めて競い合う、これもたまには必要でしょうし、確かに大人数でやれば迫力もある、そういう体験もあってもいいでしょう。しかし、フェスティバルなど行事を数え上げていくと大変な数になります。学校独自の行事や地域固有の行事だってあるわけですから、その準備も考えると、これでは日常の授業がうまくいくのかと心配になります。あまりにバランスを失していないでしょうか。

 一箇所に集めるためのバスの借り上げ費用などを考えると、大変な予算措置がされていると思いますが、限られた教育予算のなかでそれをやろうとすると、日常の予算などを圧迫するのではありませんか。仔どもたちの成長の基本はやはり日常の学校生活であり、授業の充実であることを考えるともっと予算を毎日の教室の環境整備、暖房器具なども十分でないところもあるとの声を聞いていますし、危険校舎も一向になくなりません。

 全体行事の数をしぼるなどバランスを考えた改善が必要ではありませんか。

1つめは、各種フェスティバル,学校行事を整理し、教師に過大な負担が生じないよう改善すべきではないでしょうか。

2つめは、クラブ活動の指導など、教師が児童・生徒と接する時間帯を保障すべきではないでしょうか。

3つめは、普通教室に冷暖房などの空調設備を整備して欲しいと思いますがいかがですか。

4つめは老朽校舎の建て替えや危険箇所の改修、整備などについてもっと予算をつけるべきだと思いますがいかがですか。

5つめは、読書教育を重視しているのですから、図書費の増額や司書の設置をすべきだと思うのですがいかがですか。 

以上
by okanonagatoshi | 2008-12-08 13:13 | ● 議会報告